蒼兎のブログ

Maison book girlというアーチストをご存知でしょうか?

Maison book girl / 長い夜が明けて

長い夜が明けて


これがMaison book girlの最新バージョンです。
www.youtube.com 2019年4月14日のSolitude HOTEL 7Fのライブ映像です。昭和女子大学人見記念講堂から二日後の2019年04月16日 にYouTubeで公開されました。

CD音源最高!

 僕は基本的に『永遠に残るもの』という前提で製作されるCDの音源が大好きです。CD音源には創造者の方々の意思とか時には強すぎる思いなどが込められていると考えていてライブよりもCD音源を好む傾向にあります。試行錯誤の過程や足し算、引き算の結果として締め切りという物理的な制限はあったとしても『永遠に残る』という意識は製作者側にもあるはずですので、その時点での最高のパフォーマンスが音源に込められています。そして僕はいつも、Maison book girlが新たに発表する音源を楽しみにして期待値を最大限まで上げているのですが、現れてくる新しい音楽はその期待をいつも超えてきます。それがまたCD音源が最高である証なのかもしれません。

 「CD音源最高!」という書き方をすると「ライブの方が良い。」というご意見やお叱りの声もあることは理解していますが、これは個人の好みの問題なので先に進めていくことにします。

Solitude HOTEL 7th Floor

 さて、そんな前提でこの『長い夜が明けて』というライブ動画を観ていくことにします。なお、僕のブクガライブデビューはSolitude HOTEl 7th Floorなので会場でこのパフォーマンスを拝見させていただいていることは最初に書いておきます。

 7Fをご覧になっていない方にはネタバレになってしまいますが、『長い夜が明けて』は、7Fの1曲目の演目として演奏されました。しかし最後のブレイクのタイミングで突然楽曲が停止してしまい、そこから首だけの鳥がナレーションを開始するという展開を見せました。従来の語り部の無いSolitude HOTELに少し変化が見られた瞬間でした。

 首だけの鳥はライブ中に三回登場してSOUPというシングルの世界観と7Fの進捗を観客に伝えようとしていたような気がします。演者が観客側に歩み寄って理解するためのヒントを加えていたようでした。

ライブ最高!

 こうして実際に会場に足を運んで、Solitude HOTELという芸術作品を鑑賞してみると、『なぜ今までここに来なかったのか?』という感覚が湧いてきてライブ終了直後から後悔しつつ自問自答を続けていました。CD音源だけでは伝えられない何かが確実にここにあります。CD音源が物足りないということでは無く、Maison book girlの音源は前述したように”最高”です。改めて伝える必要も無いとは思いますが、Maison book girlの音源にはサクライケンタさんとメンバーの最高が詰め込まれていますのでそこにはストーリーがありMaison book girlという壮大な物語の中の一説をそれぞれの曲が語りかけてきます。だから最高です。たぶん言葉や文章ではあらわせない何かがそこにあるんでしょうね。しかしそこまで素晴らしいCD音源だったとしても一度ここに足を運んでしまうと、CD音源だけでは物足りなくなってしまうという気持ちが生まれてきてしまいます。CDはあくまでもきっかけであり実際にライブに足を運んでこそ、そこで行われる新しい何かを体験できる。それがサクライケンタさんとコショージメグミさんが形にしようとしている何かでありそれを見届けようとしている人たちがここに集まって来ているのではないでしょうか。

存在しない私

 「私など存在しない。」そう語るコショージさんは自己否定することが自らの存在がここに存在することを証明しているかのように存在意義を見出し、それを表現するための場所としてここを選択していると考えています。ワンマンライブには自由があるように見えて多分その表層には見えてこないいくつかの取り決めや約束事があると考えています。そしてやっぱり裏側には、見えているものだけでは想像が出来ない何らかの謎や考え方があると思っています。こうして考えることが自分自身の存在を肯定して新しい活力にしていくような。

笑顔

 蛇足ではありますが、Solitude HOTEL 7Fに足を運んで気付いたことがあります。休日の教育機関で開催されたこともあり、大学はライブの参加者だけでほとんど占められていたと思うのですが僕は独りで見に行っていたので、参加者の皆さんからどうみられているかが気になって参加者の表情をうかがっていました。そうすると参加者の皆さんが笑顔で、本当にすべての方々が笑顔で、これから始まるライブを楽しみにしている様子を見られることが出来ました。お知り合いの顔を見つけて笑顔で話しかけたり、そこをまた別のお知り合いの方が通り過ぎてまた笑顔で挨拶を交わす。こうしたファン同士の交流もMaison book girl特有なことでは無いと思いますが、とても素敵なことでうらやましいという感情が生まれてきました。
そうなんですよ。こうした交流もライブ会場に来ないと味わえない感情であり、仕事のしがらみや様々な日常の嫌なことを忘れたりするためにストレスを解消する手段として趣味に昇華するというのは、正しい行動なんじゃないかと思っています。

明けない長い夜

 今まで過ごしたいくつもの夜には、その日の出来事などで眠れずに、場合によってはそのまま朝を迎えたりすることもありました。でも明けない夜は無く必ず朝日が迎えに来てしまいます。現実は辛いけどそういうものだと割り切って朝日に背中を押されて新しい一日を始めるしかありません。人生という視点から見ると長い長い夜は現実に引き戻されるまでのほんの一瞬でしかありません。新しい朝はいつもどおりのくだらない毎日の延長かもしれません。でも新しい朝の先に待ち望んだイベントがあるとするなら、その新しい朝が少し違って見えるかもしれません。在宅で良かったと思ってましたが、これからは出来る限りライブにも行ってみたいと思っています。もし検索していただいてここまで読んでくださっている方がいらっしゃるのであれば、ぜひ、ブクガのライブを実際に体験してみて下さい。

そうすると、今までと少し違った新しい朝を感じることが出来るようになるかもしれません。

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