蒼兎のブログ

Maison book girlというアーチストをご存知でしょうか?

Maison book girl の楽曲に”ふれる”

サブスクリプション


Spotifyには4,000万曲が登録されているそうです。

 全部聴くのに何年かかるかという数学的な遊びはとりあえず置いておきますが、いずれにしても過去に公開された膨大な楽曲群には個人個人がそれぞれの曲に対する思い入れがあるため、いわゆる「思い出補正」というやつで美化されていく傾向にあります。

こうした美しくも儚い思い出の詰まった楽曲がサブスクリプションとして容易(お金さえ出せば)に聴ける時代です。好きだったあの曲や、思い出のこの曲がすべて網羅されているわけではないのですが検索の経過で気になる曲を見つけてしまうこともよくある話です。

 保有するCDをデータ化してそれをスマホやオーディオプレイヤーなどに入れて持ち歩くことも一般的になっています。フィジカルなメディアを実体のないデータに変換してかさばらないようにした上で気軽に持ち運べる。さらにリムーバブルメディアの小型化と大容量化と低価格化が光の速度で進んでいることもこの傾向に拍車をかけています。そう言えば先日喫茶店の隣席で「もうCD取り込んだのでいらない。」みたいな話をしてる方もいらっしゃいました。

「最近CD買いましたか?」

さて、本題なのですが、「最近CD買いましたか?」

 このブログを見ている方はCDを買われている方が多いと思うのですが、実はそれが一般的な音楽に対するお金の使い道ではなくなっているのかもしれません。

親戚のおじさん

 現在60代で若いときに毎週のようにCDを買っていた親戚のおじさんは、「新しいCDは買わない。古いアルバムをひたすら聞いてる。」と言っています。この方はアメリカのロックを聞いて育った世代でレコードを処分してCDに置き換えて、それをデータ化して散歩しながらスマホで聴いています。本人曰くクラッシックなアメリカのロックは色褪せない魅力があっていつまでも聞いていられるそうです。

ストフリーな音楽

 「YouTubeでMusic Videoがいくらでも見られるから買わない。」という友達もいます。いわゆるコストフリーの考え方で音楽と言うものはお金を出して買うものではないという思想になってきています。全体を見て言っているのではなくてあくまでも自分の身の回りのとてもとても小さな小さな世界の中での話です。

そして現代の音楽

 未来にリリースされる新しい楽曲たちは、そういった過去の思い出とか無料のMusic Videoに勝つための施策と魅力が必要です。レコード会社やアーチストが新しい音楽を既存の膨大な楽曲群の海に埋もれてしまわないよう工夫を凝らしていますが、世界的な趨勢を見てもそういった大きな流れに飲み込まれてしまっているのが現実でなんらかの革命的な対応策も無くとても困難な課題に立ち向かっているのが現状であると言えそうです。
 そもそもこうしたビジネスモデルの変革への適応力が無いとこの先のさらなる大きな変化に対して追従できない可能性があるのかもしれません。それらのこの先の大きな変化は予想出来ることと予想出来ないことがあると思っています。

 あるアーチストの音楽を聞いたことがないし知らないというパターンもあると思っています。これは潜在的な需要を持っている層に楽曲が届いていないことを意味することにもなります。せっかく興味をもってもらえそうな方々がそこに確実に存在するのに出会いや気付きがなければ興味をもってもらうことが出来ません。これはとても残念な損失です。そういった層の方々は音楽というものに敬意を評して接することが出来るので自分が良いものと認めればそこに発生する対価を負担することに抵抗が無くクリエイターを支援するという考え方を持っていたり応援したいと考えています。良いものを享受するためには価値の等価交換が必要であると考えていただける人も少なくないと感じています。

 こうして考えてみるといくつかの壁が明確になり難しさを感じます。明確な攻略法が無く抜本的な打開策があるわけではないのですがそういったジレンマを感じながら日々暮らしていることも事実です。

 最近、"僕"のような、そこにある音楽に惹かれて共に新たに一緒に進んでいこうと決めた方々も確実に増えています。そのためにはブクガにふれてもらうこと、"ふれる"ことが大切だと思っています。そのきっかけは幾つか手段があると感じています。一人でも多くの方々に、この美しくて儚くてそして過去の楽曲群と似ていない音楽との出会いに導かれると幸せになれるんじゃないかなと想っています。

 ブクガを「過去の楽曲群と似ていない音楽」と書くと、○○と似てるとか、○○のようだとかそういう突っ込みやら、ミニマルミュージックとか現代音楽というキーワードでコメントがあるかもしれませんが、そもそもそういう音楽を聴いたことがないからこそここにたどり着けていないんではないでしょうか?(自問自答なのでスルーしてください。)

"僕"がここで書いている文章があなたとブクガとの出会いの一助になりますようにと祈りながら。

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